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■■ 「ドラえもん・最終回」 ■■
作者:四畳半の住人 -
 1999年3月頃に来たメールです。著作権など侵害にあたらないのか不安。。

「ドラえもん・最終回」 

ある日、伸太がいつものようにイジメられて学校から帰って来て、
これまた「いつものように」ドラえもんに泣き付こうとすると、
ドラえもんが動かなくなっていた。
「ドラえもん、どうしたの?」と聞いても、全く返事をしない。
数時間たっても回復の兆しを見せない。

事の重大さを悟った伸太は、ひとりタイム・マシンにのって
ドラえもんが来た22世紀に行く。

そこで、ドラミちゃんや「伸太のひ孫」に聞いてみると、
どうやらドラえもんが動かなくなったのは、バッテリーの寿命による
ものだという事がわかる。
バッテリーを交換すれば、ドラえもんは元のように動くというが、
RAMに保存してあるデータが全てクリアされて、
伸太との今までの記憶もすべて消え、新しく学習をしていくという。
しかも、22世紀の、進んだ技術を持ってしても「それはしょうがない」
と言われてしまう。ロボットは基本的に、人間のための「使い捨て」だからだ。

ひとり現代に戻った伸太は途方にくれる。
動かなくなったドラえもんは、ただの巨大な鉄の塊だ。

「動かなくなったドラえもんと、このまま一生過ごすか」
「それとも、今までのドラえもんとの過去の記憶を捨て、新しいドラえもんと、一から始めるか」

伸太はそれを選択しなければならないのだ。

伸太の心に、今までのドラえもんとの生活が蘇る。
ドラえもんが初めて伸太の家に来た日、一緒に遊んだ日々、
一緒に失敗してママに叱られた日、伸太が泣き付いてドラえもんに 助けられた日、慰められた日々...

涙にくれる伸太だったが、ついに彼は決心をする。
「今度は、僕がドラえもんを助ける番なんだ」と。
RAMが消えるなら、消えないようにすればいい。
たとえ22世紀の技術でできなくても、僕がそれを何とかしてみせると。

それまで劣等生だった伸太は猛勉強を始める。
今まで勉強なんか大嫌いだったが、もう、そんな事は言っていられない。
「もう一度、ドラえもんと話がしたい、一緒に遊びたい」
その一心で勉強を続ける

...やがて、その日が来た。
ついに、RAMをクリアせずにバッテリーを交換できる方法が 完成したのだ。
この日のために、静香ちゃんも、ジャイアンも、スネ夫も、 伸太の実験室に集まった。

バッテリーの交換が終わった。
心配そうにドラえもんを見つめる伸太、そして、みんな。

やがて、ドラえもんが眼を開ける。
「伸太くんん...」
ドラえもんが、あの、懐かしい声をあげる。

成功した。ドラえもんは生き返ったのだ。
長い眠りから眼を覚ましたドラえもんの周りで、 もう充分、立派な大人になったジャイアンやスネ夫、 そして、優秀な科学者になって研究を続けている伸太と、 その美しい妻・静香が、涙を流しながらドラえもんの再生を喜んでいたのだった。

おわり


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2001年12月2日作成 四畳半の住人