キヤノン製品のお買い上げありがとうございます。この製品は、FDレンズと併用して、近接撮影を行うための中間チューブで、それぞれ15mm、25mm、50mmの厚みをもち、開放測光、自動絞り連動撮影が可能です。
使用レンズの焦点距離によって撮影倍率が変えられますから、常時カメラと携行して昆虫や草花、または小美術品などの接写にご利用いただけます。
使用レンズは焦点距離35mm〜200mmまでの単焦点距離レンズです。但し、15-Uは28mmレンズから使用できます。
(キヤノンFD85mmF1.2L大口径レンズとの併用は、絞り連動上の問題から使用できません。またズームレンズ、FD50mmF1.2、FD50mmF1.2LおよびFD55mmF1.2L大口径レンズとの併用はおすすめできません。)
- カメラ/レンズとの接続
最初にエクステンションチューブをカメラに取付けて下さい。取り付ける時は、締付けリング上の赤点とボディの赤点位置を合わせ、エクステンションチューブを押し気味にしながら、締付けリングを時計方向に一杯に回します。外すときは逆の要領で行ってください。そのあとレンズを取付けてください。レンズの取付けはボディの取付ける要領で行ってください。
- キヤノンA-1、AE-1プログラムへ取付けるときは、巻上げ途中では行わないでください。尚、取付けの際はボディの絞込みレバーが、押込まれていないことを確認してください。
- エクステンダーは1コのみ自動絞りが連動します。従って、複数の使用は避けて下さい。
- エクステンションチューブと撮影距離
エクステンションチューブの使用はレンズのフォーカシングが最至近距離よりも伸びた状態ですから、チューブの厚みが長いほど近接度が高くなります。これにクローズアップレンズを併用すればさらに至近距離が短くなります。また撮影距離および撮影の倍率は使用レンズの焦点距離によっても異なりますから、目安として使用表をあげておきます。
エクステンションチューブ FD15-U / FD25-U / FD50-U 使用表
- 撮影の手順
- 使用レンズによって予め撮影距離を知っておき、カメラ位置を決めて下さい。
- 被写体にピントを合わせて下さい。
- 露出は、使用カメラの機能に応じて通常の方法で測光して下さい。(TTLカメラの場合)
- 露出警告も通常通りです。
- 測光後、撮影してください。
- 被写界深度と露出
近接撮影では深度が浅くなりますから、なるべく F8 程度まで絞り込んで撮影できるよう露出を決めて下さい。
静体の場合には絞りを優先させ、実際に絞り込んで深度を確かめてから撮影して下さい。
また、ぶれの影響がありますから、できるだけ三脚とケーブルレリーズを御利用ください。
野外の植物なでは僅かの風でも揺れますから、その場合は、速いシャッターを選んで下さい。
- 有効F値と露出
レンズに目盛ってある絞り目盛は、ピントが無限遠(∞)の場合の値で、実際の明るさは撮影距離が近付くに従って低下します。 この現象はレンズの距離目盛の範囲では無視できる数値ですが、近接撮影の場合には露出値に影響が出ます。 しかし、TTLメータの場合には問題ありません。
また、FDチューブは、開放測光ができるようレンズのF値信号がカメラ側に伝達されています。そのためAEカメラの場合、情報表示は使用レンズと同じf値となりますが、測光は実効 f 値で行われていますから、AEの作動および露出警告はそのままカメラの指示
に従って下さい。
追針式カメラの場合も同様に、装着後実効 F値 通りに指針が自動的に設定されます。 エクステンションチューブの絞り連動範囲は、開放F値から最大7.5 段です。例えば、50mmf1.4 の場合は(絞り段数8段)F19 までしか使用できません。これはチューブの自動絞り連動範囲が7.5 段になっているためです。
- 露出補正
外部メータによる測光時やストロボ撮影時には、明るさの低下した分だけ露出補正をしてください。補正量は下記を目安にしてください。
撮影倍率 | 1:10 | 1:8 | 1:6 | 1:5 | 1:4 | 1:3 | 1:2 | 1:1.5 | 1:1.2 | 1:1 |
0.1 | 0.13 | 0.17 | 0.2 | 0.25 | 0.33 | 0.5 | 0.67 | 0.83 | 1.0 |
露出倍率 | 1.21 | 1.27 | 1.37 | 1.44 | 1.56 | 1.77 | 2.79 | 2.79 | 3.35 | 4.0 |
絞りを開く量 | 0.5段 | 1段 | 1.5段 | 2段 |
- ストロボの利用
近接撮影のストロボ照明は、光が被写体から外れないようカメラを離して行うのが普通です。しかも照明は斜光線となり光量も低下しますから御注意ください。
またストロボから被写体までの距離を基準として、ガイドナンバー計算により絞り値を算出してください。さらに上記の使用表を参考にして、倍率によって絞り値を補正してください。
実際にはテスト撮影をして、データを決めることが最良の方法です。
* 50mm標準レンズで近接撮影する場合には、キャノンクローズアップレンズのご使用をお勧めします。このクローズアップレンズは特に近接時の性能低下を防ぐように設計されていますから、好結果が得られます。さらに倍率を上げたい場合には、クローズアップレンズとFD チューブを併用し、F5.6 以上に絞り込んでお使い下さい。
* 超広角レンズは、チューブの接続により高倍となり、レンズが被写体にぶつかるため使用出来ません。反対に超望遠レンズでは近接効果が薄れますから意味がありません。そのため使用可能焦点距離レンズを決めています。
* 全レンズとも等倍以内での撮影に適します。等倍以上はキャノンマクロフォトアダプターあるいはマクロフォトカプラーFL との併用によるレンズの逆向き使用をお勧めします。