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■■ 図案を考える ■■
作者:四畳半の住人

 普段から絵心がある人ならば楽しい作業になるのでしょうが、私も絵心がないので、図案を決めるまでが大変です。毎年、この作業に時間が無駄に費やされます。ここでは、絵心がない人用に図案の考え方や図案集などの選び方を紹介します。

 図案の大きさ

 葉書の大きさの紙を準備し(だいたいA4を2回折り畳んだ大きさ=A6 または、 150x100mm)、枕詞や図案の配置を考えます。
 版画の部分の大きさはアクセントサイズでもいいし、ドカンと大きくても構いません。版が二種類以上ある場合は、版の大きさを同じにしないとずれてしまいます。葉書大の木版やゴム版でも実は葉書の大きさよりも僅かに小さく出来ています(カットする刃の厚み分だけ小さい)。ですから全面に色を置きたい場合は、どちらか端に絵の具が載らない部分が出来てしまいます。私はローラーで同じ色を重ねてしまいますが、そういうズルが嫌な人は縁ぎりぎりまで版をデザインしないほうが無難です。一番の問題は色の数です。

 版数の決め方

 通常は、使いたい色の数だけ版が必要です。少枚数の場合は、版に何種類かの色を載せれば多色刷りが一つの版で作れます。しかし、枚数が多いと、版を塗りわけるのは大変だし、絵の具も乾きやすいので、基本は色数=版数として考えて下さい。1版で2色位までならそれほど面倒は増えないと思いますので2版で3色というのも可能です。色数を増やすのはカラフルでいいのですが、実際、版が多いと印刷する回数も倍数ですので、よほど凝らない限りは2〜3版がいいでしょう。図案にもよりますが、一時間に50枚程度しか刷ることが出来ません。200枚の年賀状を作るとして、3版(色)の場合、200枚 x 3版(色)=600回も刷ることになります。気を付けて下さい。年末ギリギリに多色刷りの版画は自殺行為です。

 図案の選び方や資料

 自分で描くのが一番ですが、どこからかアイデアと言うなら、身の回りを探してみます。便利な世の中ですから、図案のアイデアはそこら中に転がっています。干支にこだわるなら、市販の版画用図案集でもいいし、パソコン印刷用の図案CDでもいいと思います。問題は、自分の彫る技量と図案の相性です。細かい図案ならば、木板では大変ですし、彫刻刀の刃型を生かすならばゴム板では難しいかもしれません。わざわざ買わないでも図書館などでも図案集や写真集など色々とあります。年賀状用の図案集は貸し出し禁止となっているはずですので、コピー機で気に入ったページをコピーしましょう。
 邪道ですが、市販の年賀状の図案を真似するのもいいアイデアです。文字だけのオシャレっぽい図案もあるので1色の版には最適でしょう。

どじさんの道具アイデアパソコンでの編集〜版分け、色決め
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2002年4月13日作成 四畳半の住人