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■■ ゴム板や木版に下絵を写す  ■■
作者:四畳半の住人

 さてこのあたりからいよいよ版画の作業です。
作った版下を印刷しておきます。カーボン紙があると便利ですが、なくても大丈夫です。
 ゴム板や版木に基準となる中心線を描きます。その線と下絵の線を合わせるようにして紙を置き、テープなどで固定します。ゴム板の端で合わせてもいいのですが、ゴム板と版木を組み合わせて作る場合、ずれる事があります。
 紙を置く角度がずれたりもするので線で合わせたほうが無難です。
 カーボン紙がない場合は、紙の線のあたりの裏側を濃い鉛筆で塗っておきます。全面を塗る必要はありません。
 カーボン紙を間に挟み、ボールペンなど先がある程度丸いもので下絵をなぞります。ゴム板の場合は強くなぞる必要があるので先端が尖ったものでやると紙が破けてしまいます。
 木版の場合は、尖ったものでなぞっても大丈夫です。木版はさすがにきっちりと線が出ます。木版は塗る面積が大きい場合とかによく使います。
 カーボン紙がない場合は裏側を鉛筆でなぞってあるので、やはりゴム板にうつります。消えないように後で版をもう一度ボールペンでなぞっておきます。

ちょいと一工夫

 彫る所を間違えてしまいそうならば、彫る部分を塗るか目印をつけておきます。細かい所を彫っていると訳がわからなくなってくるので目印をつけておくと失敗が減ります。
 間違い易い絵の場合は、もう一枚づつ印刷しておき見本にします。
 ゴム板や版木への下絵は、絵心があれば、直接に描いてもいいと思います。ただ、その場合、逆になるというのを忘れないようにしてください。多版の場合は、ずれやすいのでこのように写した方が無難です。
 以上の作業を版の数だけくり返します。1、2版目はゴム板で、3版目は木版にする場合、版の大きさが違うことがあります。かならず中心線で合わせるようにすればずれることはありません。大きい板に彫る場合、中心線は、葉書の大きさよりもはみ出させておくと後で便利です。ついでに葉書の大きさも描いておきましょう。
 最近は、版がずれることが多いので、黒版(最終版:3版)を彫って紙に刷り、その紙を版に押し付けて転写させて写す方法を使っています。下手に彫ってもちゃんと反映されるので便利です。

パソコンでの編集、版分け、色決め ゴム板や版木に彫る
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2003年1月25日作成 四畳半の住人