四畳半の住人 / 四畳半、たまに思うこと / 糖尿列島を読んで / 五観の偈(ごかんのげ)

■■ 五観の偈(ごかんのげ) ■■
作者:四畳半の住人 -

一つには功の多少を計り、かの来処を量る

ひとつには こうの たしょうを はかり、かの らいしょを はかる
 この食事は、ここに来るまでに、いかに多くの人々の手数や苦労があったかを深く考え感謝して食べるように。と言うことです。確かに、大勢の手がかかっています。自分で釣った魚でさえ、針や糸を作った人、ボートを作った人、釣り場で働く人、、私1人では何も得られません。

二つにはおのれが徳行の全欠を忖って供に応ず

ふたつには おのれが とくぎょうの ぜんけつと はかって くに おうず
 
 こうした食事に値する程の言動が自分にあるのか反省して食べ、常に自己の向上を目指しなさいと言うことです。働かざるもの食うべからずと同義ですかね。

三つには心を防ぎ過を離るることは貪等を宗とす

みつには しんを ふせぎ とがを はなるることは とんとうを しゅうとす
 美食を前にすれば欲張り、貧食に対しては、怒りや不満を覚え、毎日同じ食事に対しては愚痴をこぼす。。という人間の心を戒めています。修養の心を持つようにということです。

四つには正に良薬を事とするは形枯を療ぜんがためなり

よつには まさに りょうやくをことするは ぎょうこを りょうぜんがためなり
 食事を薬と考えれば、甘苦によって増減してはいけない。食べる目的はこの生命を支えるためにあり、美味・好き嫌い・食べ過ぎ・不味で左右されないよう節度を持った食生活をと言うことです。確かにそうなのですが、誘惑が多すぎますよね。

五つには成道のための故に今この食を受く

いつつには じょうどうのための ゆえに いまこの しょくを うく
 人生の目的を達成するために、この食事をいただきます。理想の心を持てとこうことです。
 しかし、簡単そうですが、なかなか出来ないことばかりです。やはり飲み食いは楽しく、ついつい過ぎてしまいます。あくまで念頭に置いておくだけになってしまいそうです。

2000年12月作成 四畳半の住人