四畳半の住人 / 四畳半で梅干しを作る / 減塩梅干し(はちみつ梅干)

■■ 減塩梅干し(はちみつ梅干) ■■
作者:四畳半の住人 -
 塩だけで漬けるならば、減塩しても12%が限界のような感じがします。で、焼酎をもっとヒタヒタに使えば10%への減塩も可能ですが、作る途中も不安で、出来上がりは酸っぱ味が強すぎる梅干しになってしまい、味は落ちてしまいます。暑い我が家では、保存性にも不安を感じます。私もずいぶんと減塩に挑戦しましたが、減塩した梅干しは味が落ちる(味が惚ける感じ)のが早いと感じます。やはり、年数が経っても美味しい梅干しは、ある程度の塩分はが必要なのだと思います。
 で、ただの減塩だと日もちが心配なので、減らした塩の分を甘味を加えることでカビの発生も防ぎ、減塩も出来き、酸っぱい梅干しが駄目な人にも食べやすいと好評です。味が落ちるのが早いので(少なくとも香りは飛ぶのは早いです)、減塩の梅干しは、1年で食べ切るつもりでガバガバと食べて下さい。

必要な材料と道具

減塩甘梅干し(はちみつ梅干)の作り方とコツ

 梅は水に浸けてからヘソを取り、丁寧に水気を拭き取って、漬込むまでは、普通の梅干しと同じです(詳しくは、梅干しの作り方1/2)。普通の梅干しと違うのは漬込み時の塩が10%と少ないことでしょうか。塩分が少ないので早く梅酢を上げて、梅酢が上がったらすぐに足りない塩分を補う甘味を投入するのがコツです。だから、加える甘味(氷砂糖や蜂蜜)は事前に準備してください。漬込んでから、蜂蜜を注文したりモタモタしていると発酵が始まったりして泣きます。実は私も一度だけ経験しました。漬込んで蜂蜜を探していて10日間もほったらかしにしたら、梅酢の匂いが若干発酵気味に変化してしまいました。結局、すぐに塩を投入して普通の梅干しになりました。それからは注意しています。しかし、減塩ってのは気を使いますね。
焼酎をまぶす 塩にも焼酎
 水洗いし、ホシを取って水気を拭取った梅を袋に入れて霧吹きで焼酎をまぶします(焼酎をまぶすのは、梅を濡らして塩がまんべんなく梅につける効果があります)。あまり焼酎をまぶすと袋に残る塩が多くなってしまうので、塩が梅につく程度にします。残りの塩はボールなどの容器にあけて焼酎を入れてドロドロ塩にしてもいいです。梅の熟度、大きさ、キズ具合などによって調整してください(梅仕事に慣れてくればそういうのだんだんとわかります)。塩の一部を袋に入れて梅に塩がよくつくようになじませます。袋ごと揺り動かします。梅は丁寧に傷つけないように。塩をたくさん入れ過ぎると袋に残ってしまい10%塩分よりさらに少なめになってしまいます。まぁ、ほどほどに。
焼酎をまぶす 焼酎をまぶす
 容器の底に塩を軽くまいて、から並べていきます。減塩なので少しだけ気を使ってヘタの凹み部分に塩をなすりつけるようにして、凹みを下にして並べていきます。なるべくキッチリと隙間なく。  どうせ重石が掛かるのだから多少は押さえ気味で敷き詰めて下さい。ただし、潰さないように。1段並べたら塩、そしてまた一段。最後は多めの塩でこんな感じ。
重石を掛ける 重石を掛ける
 重石を掛けます。減塩なので数時間おきに梅酢の上がりをチェックします。くれぐれもほったらかしにしないように。時間がない人は、減塩に挑戦しないほうがいいです。  3時間後に重石が下がり始めて少し安心です。このまま梅酢が梅にかぶるぐらいまで待ちます。容器を揺り動かして梅に梅酢を回しかけるのも効果的。ともかく早く梅酢を上げて早く甘味を追加。
重石を掛ける 重石を掛ける
【氷砂糖の場合】
 梅酢が上がってきたら重石の横から氷砂糖を投入します。数時間後、溶けたらまた投入。容器を揺り動かして氷砂糖を濡らすとよく溶けます。氷砂糖が直接に梅に触れると梅シロップのように萎んだ梅になってしいます。氷砂糖の分、梅酢が増えるので溢れないように。
【はちみつの場合】
 梅酢が完全に上がったら、梅がギリギリかぶる位(2cm程度)まで減らします。高価なはちみつですので有効に使うためには余分な梅酢は出した方がいいです。はちみつと梅酢をよく混ぜ容器に戻します。はちみつで色が濁るので、匂いは要チェックです。こちらはとちみつ屋さんのはちみつです。
白梅酢 また重石を掛けて(重石は様子を観て調整してください)、赤い梅干しがいいならば赤紫蘇を入れます。白梅干しならばそのまま土用を待ちます。減塩ですので、梅酢の状態(色や匂い)は必ずチェックしてください。甘味が不足していると発酵が始まってしまいます。不足した塩分の量だけ甘味が必要です。我が家はこの時期、30度を超える室温となり蒸し暑いのでついつい濃いめ(甘め)に調整してしまいます。涼しい家ならばそれほど気を使わなくてもいいかもしれませんね。
 写真は、どれも白梅酢(赤紫蘇を入れる前)です。甘味を入れてから取りだした梅酢はそのまま和え物、すし酢や砂糖を使う料理に使えます。味噌を溶いて酢味噌〜梅風味でも美味しいです。甘味を入れる前の白梅酢(塩分10%だけ)は、冷蔵庫に入れた方がいいかもしれません。梅により梅酢の香りや色、味も違いますので、楽しめます。白梅酢を取っておくことで漬込んだ梅の梅酢と比べることも出来ますので各容器ごとに取り分けておくのも勉強になります。
赤紫蘇を入れる 土用干し
四畳半で梅干しを作る

2002年6月24日作成 2007年6月22日追記 四畳半の住人