あの【すっぱさ】が胃腸を守る

　
• 梅干しを口に入れて「すっぱい」と思ったとたん、唾液がどっと分泌されるのがわかりやすい例です。梅干しはあらゆる食品の中で、唾液を分泌させる効果が一番強いのです。老化やガンの原因になるといわれる活性酸素の一つ「過酸化水素」を水と分子状酸素に分解して、毒性を消してしまう働きがあります。お腹に入ると、胃腸などの消化器官を刺激して消化液の分泌を促します。 　
• 消化された食物や水分の吸収を促し、胃腸の蠕動（ぜんどう）運動を助ける働きがあります。「梅干しは下痢にも便秘にも効く」と言われるのは、この整腸作用によります。 　
• 防腐・殺菌作用があげられます。伝染病や食中毒の原因となるバクテリアは酸に弱いため、梅干しの酸は、胃の中でのバクテリア退治に一役買っています。弁当箱に入れたり、おにぎりに入れたりと使う梅干しの抗菌パワーの主成分は、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸です。なかでもクエン酸の酸味には、胃液にも劣らない殺菌作用があるとされています。
  　クエン酸は梅の実が熟すにしたがって増え、それとともに抗菌作用もパワーアップしますが、梅の実は生食できないので、これを梅干しにするとクエン酸が少し減ってしまいます。
  　しかし、今度は梅の実に含まれていたアミグダリン（青酸成分）が梅干し特有の抗菌成分である「ベンズアルデヒド」に変化し、さらに抗菌パワーが強くなるという仕組みになっています。梅干しを食べると、体内では消化液の胆汁との相乗効果で、食中毒細菌までやっつけてしまいます。 　 　
• 疲労回復の効果があることが、科学的に証明されています。梅干しに含まれているクエン酸によって物質代謝は促進され、疲れにくい体を作ることができます。
  運動の後などには、梅干しに熱湯を注いでほぐし、はちみつを加えたドリンクなどが最高の疲労回復剤になります。昔からの梅干し入りのおにぎりも、理にかなったものだったようです。昔の人の知恵ってとても感心です。科学的にじゃなくて、感覚がとても優れていたのでしょうね。 　

• 【夏ばて・食欲不振】
  　夏バテなどで体力が消耗しているときは、無理してカロリーの高いものを食べようとしても逆効果です。こんなときは、食前に梅干しを食べたり、梅干しを使ったさっぱり風味の料理にすれば箸がすすみます。 　
• 【下痢・便秘】
  　便秘の方にお勧めなのは、朝食前に、たっぷりの湯とともに梅干しを食べることだそうです。腸を刺激し、おだやかな効きめがあるとか。
  下痢の時にも、整腸作用のある梅干しは役立ちます。私はいつも梅エキスをなめています。梅をお湯に入れて飲むのが効果抜群とか。
• 【病中・病後】
  　昔から家庭での病人食といえば、「おかゆと梅干し」と決まっていました。私が子供だったころもそうでした。これは、弱っている胃腸に負担をかけずに消化吸収を助けるという意味では、理にかなった方法です。
• 【疲労しているとき】
  　毎日習慣的に梅干しを食べていれば疲れをためにくくなるといわれてします。
• 【二日酔い】は梅干し入りのお茶を飲む
  　二日酔いで吐き気や食欲不振の時には、次の方法が効果的です。
  梅干しの果肉を茶わんに入れ、熱いお茶または熱湯を注ぎ、果肉を箸でつきくずして飲みます。アルカリ食品である梅干しを取ることにより徐々に体調がよくなります。
• 【乗り物酔い】は梅干しをしゃぶる
  　これは昔からよくいわれます。私は子供の頃はひどい乗り物酔いで遠足も楽しくありませんでした。で、弁当には必ず梅干しを入れてくれたのですが、その時にはもう具合が悪くて食べる気がしませんでした。乗り物酔いに効くのは今まで実感したことありません。が、世間ではこう言われています。本当かな。
• 【かぜで熱がある時】は梅干し入りしょうが湯を飲む
  　茶わんに梅干しの果肉をちぎって入れ、おろすか薄切りにしたしょうがを加え、熱湯を注いで飲みます。梅干しには解熱作用、しょうがには発汗作用やせき止めの作用があるので、これを飲んで眠れば効果ありそうです。
• 【かぜで鼻がつまった時】は梅干しで塗布する
  　小さくたたんだガーゼに梅干しの果肉を塗りつけ、鼻に貼って塗布します。梅干しが乾いたら新しいものと取り替えます。くり返すうちに鼻が通ります。
• 【口臭に】は梅干しを食べる
  　梅干しを食べることで口の中や胃腸が殺菌され、口臭の元が断たれます。にんにくを食べた後などはマナーとしても梅干しを食べたいものです。
• 【頭痛や歯痛に】は梅干しで塗布する
  　梅干しには鎮痛作用や消炎作用、血行をよくするなどさまざまな働きがあるので、梅干しで塗布する療法は、頭痛や歯痛に限らず、肩凝り、神経痛、リウマチ、打撲痛、捻挫などにも効くと言われていました。つぶしてすった果肉をガーゼで患部に貼るようです。