四畳半の住人
/
四畳半で梅干しを作る
/ 番外:簡易版梅酢循環装置
■■ 番外:簡易版梅酢循環装置 ■■
作者:
四畳半の住人
2012年に梅農家さんから完熟落ち梅を譲ってもらって,言われるままに20%(実際は22%?:適当人間なので,どうしても多めになります)で漬け込み。この塩分量は横着な私には最適。2012年の土用干しでは,バケツの底からゴロゴロと塩の塊が出てきて勝手に減塩されちゃいました。やっぱり塩は勝手に下に溜まる訳なので,バケツの底は塩は薄め(底にも撒かない),一番上だけ覆う感じに漬けたほうがよいです。
天地返し? 樽を揺らす……どちらも禁止!
そして,梅酢があがったあとに,塩分を均一にする為に天地返しを指南しているサイトもあります。 塩分濃度を均一にする為に開いて天地返しなんてとんでも無い。それは,
天地返しして平気な梅ってことです。羽二重に仕上がる梅なら,梅が破れちゃいます。
梅酢があがる前に,塩を溶かす為にバケツを揺らす……もダメです。梅シロップと間違えているんですかね。梅シロップは発酵系,梅干は発酵食品ではありません。
皮が柔らかく仕上がる梅なんて,樽ごと揺らしたら,潰れます。
重たければ重たいほど慣性力+摩擦力が効きますから破れ梅が出て,今度は梅酢がにごります。正直,揺らすのは固い梅干し以外は禁止です。揺らして平気な梅はフワフワには仕上がってないってことです。重たい樽を揺らすのは,腰にも悪い。(^_^;)
紹介している梅農家は正真正銘の落ち梅を洗浄して発送,
言い方を変えれば腐る寸前のギリギリな梅だから減塩するな!
ってしつこいのに守らず梅酢が白濁したってお客さんが居ました。
樽を毎日揺らしたらしいのですが,このページも観てないのか?
■■ 梅農家さんのコメント ■■
樽を揺らしてはいけない理由として、梅が破れるだけでなく、
樽を揺らすと、途中に入れた塩が、下に落ちてしまい、
わざわざ途中に挟んだ塩が下に沈殿してしまい、途中の梅に染み込まない。
だから揺らしてはいけない。
これだけ塩が下に固まっているならば塩分も樽の上と下でかなり異なると考え,そこで,塩分を均一化する為に循環装置を2013年に仕込んでみました。
お手軽四畳半版:簡易版梅酢循環装置
目的
容器の上と下で塩分濃度を均一化すること。要は梅酢を撹拌することを天地返しや容器を揺らすこと無く実行すること。容器下部の濃い塩分を上から注ぐことにより,上部の薄い部分の発酵や腐敗を防ぐ。動いている水は腐らないように梅酢を循環させて腐敗防止(っても私は減塩しないのでその辺はあまり必要ないです)。あわよくば梅酢を循環させることにより,赤紫蘇の染まり具合を均一化したい。赤紫蘇がいつも必要量の半分程度なので,循環装置でちゃんと染まるならとても良い。
装置や材料について
塩分は下側が高くなるので,下部の梅酢を上部に戻す程度の機能で良い。導入費用が安価なこと。食品用なので,清潔な事。pH2という強烈な塩基である梅酢に冒されないこと。材料は入手しやすいこと,加工しやすいこと,簡単でシンプルであることも大事。漬け込み期間は機能を損なわないこと。
で,,こんな感じになりました。
シリコンチューブ,PPジョイント継手,灯油ポンプの3点。灯油ポンプのチューブ部に丁度良いシリコンチューブが見当たらないので継手を介します。灯油ポンプ→継手→チューブ。チューブの先端は縛って止める(キャップとか余計な物は使用しない,外れた時に困る)。灯油ポンプの吸い上げ容積に合わせた穴をチューブにあける。ま,簡単です。
シリコンチューブ:内径8ミリ,肉厚1ミリ(外径10ミリ),食品衛生法適合品で使用温度は−30度〜+200度。
PPチューブジョイント:ポリプロピレン製で,異型タイプ,適合チューブ内径は5ミリ〜9.8ミリX5ミリ〜14.5ミリ.
ポンプ:耐酸性用,液体薬品、液体食用品用。 材質はPE(ポリエチレン),透明で中身が見えるタイプ。 食品用のシリコンチューブ,PPチューブジョイント(継手),ポンプ。 ポンプ内径14mmなので,穴5mmぐらいのを6個(ってもハサミで適当) チューブの先端は縛って閉止。 くれぐれもポンプ部チューブの断面積よりたくさんの穴を開けないように。ポンプの容量を超えた穴を開けると吸い上げません。シュノーケルと同じで,肺活量に応じたホースが必要なのと同じです。バケツの底に仕込んで梅漬けした樽。 なるほど,循環は簡単。それで干し上がりに差が出るのか楽しみです。 塩分ってより,赤紫蘇の色を回すには便利ですね。
先端は縛る。
PPチューブジョイント
ポンプ側の内径は14ミリ
やたらめったらに穴をあけないように!吸い上げなくなります。
ポンプ側チューブの内径断面積=延長シリコンチューブにあける穴の断面積
いや,,厳密じゃなくていいですけどね。
5ミリ穴を6個ぐらいあける。
ポンプ側を取外し
写真は梅酢を抜いた状態
仕込み時の状態
週1回じゃ少ない?
ポンプは取り外す
簡易版 梅酢循環装置の効果?
塩分濃度は均一になりやすかったと思います。それと,梅酢が上がる前に底に溜まった梅酢を上から注ぐってのは早く梅酢を上げることになります。2,3日おきに循環させるべきですね。で,梅酢が上がり始めたらすぐに開始するのが大事です。 こちらは2年目の実験ですが,概ね良いかな?と言った感じです。赤紫蘇の色出しの時にも,梅酢を取り出すのが簡単なので,少しの梅酢しか出なくても大丈夫でしょうね。 色ムラ解消については,一緒に紫蘇玉を漬け込み方式も試しましたが,梅酢で揉み出しが出来ないのが一番の難点でまだ未解決です。漬け込み時に,梅農家さんから買った梅酢を1年残して使えば解決ですけどね。ってな訳で,梅酢循環装置をば紹介してみました。
四畳半で梅干しを作る
2014年7月30日作成
天地返しと揺らし禁止を強調 2015年6月25日追記
四畳半の住人