四畳半の住人 / 飯のおかず&宴会料理 / 釣魚 釣人のしめ鯖(シメサバ)

■■ 釣魚 釣人のしめ鯖(シメサバ) ■■
塩は山盛りが最大のコツ
作者:四畳半の住人
 アジ釣りでサバの猛攻にはウンザリですが、何匹かは大事に持ち帰ります。釣サバのしめ鯖は、市販品とまるで違います。ところが、サバは「生き腐れ」と言われるほど痛みが早い魚です。強力な消化酵素を持ち、死んでからも自らを分解してしまうので、きちんと処理して食べないと危ないのです。消化酵素は血液に多く含まれてるので、釣ってすぐ血抜きすれば刺身でも食べられる魚ですが、それは釣った当日だけの話し、翌日も美味しくと言うならやはりしめ鯖。それなのに、作り方が怪しい釣人、料理を習っている人でも、軽い塩と昆布でと思っていたり・・・(一度、パラパラの塩で作ったしめ鯖を食べるハメになりヒヤヒヤした)。

 古いサバでは蕁麻疹やアレルギーが心配です。新鮮に観えても分解が進んでいれば菌も繁殖して食中毒を起こすこともあります。健康状態がいい人ばかりでないし、子供から老人まで、若い人でも体調も人それぞれ、せっかくの美味しい魚を安全に食べてもらいたいので、このページを作ります。いつも「サバかよ!」と捨てている釣人にも大事に持って帰って欲しい。深場の鯖、浅場の鯖、それぞれ味が違います。棒寿司や、にぎり寿司にするなら、小振りの鯖が使いやすいです。

 サバに関しての面白い記事を見つけました。→サバの料理法(2006年6月放映)(東京海洋大学教授 農学博士 藤井健夫)

市販の魚(加熱用)で真似してお腹壊しても責任持てません
3枚におろしたときに、身が割れるようなのは火を通して食べること。
釣った後の扱いが分らない魚(食べない釣人から貰うのは危険)はやめましょう。
人はそれぞれ体調や体力が違います。老人子供には特に注意。

安心して食べよう!〜しめ鯖(シメサバ)の作り方

3枚におろす。
腹身の部分は丁寧に削ぐ。
身が割れたら絶対に辞める。
塩はこれでもか!と山盛り
身の水分を出すのが目的!
写真でも少なめです。
皮を下にして、冷蔵庫
半日で水気がこれだけ出る。

【塩&酢のシメ具合】
 サバの鮮度に自信があって体調も万全ならば、三三締め(塩30分、酢30分)と漁師さんがよくやる方法もあるが、私はもっと絞まった方が好き。老人子供がいるならば、まして、買ったサバで作るならばやっぱり普通に締めて食べて下さい。
 個人の好みによるが、脂ノリノリのサバならガツンと酢で締めたほうが長持ち。脂ノリは今一つだったり、さば棒寿司や握り寿司ならば、半透明な状態が美味しいと思います。
 酢洗いしたら,指で骨を確認し,頭側に引っこ抜く。骨が残ると食べにくいので丁寧に。骨を抜くと身が荒れたようになるが,酢締めすればキレイに戻ります。
 骨抜きは,魚を捌く時には非常に便利なので,常備すべし。価格も数百円程度なので,良い物を購入してください。精度が悪い骨抜きは骨が切れたり取れなかったりとストレスも時間も掛かります。魚処理は時間との勝負。
酢で塩を洗い流す。
脂も一緒に落ち,
酢は白濁する。
洗った酢を捨てて
新しい酢に漬込む。
お好みで昆布を入れても。
冷蔵庫で3時間〜一晩
(お好み時間で)
切る前に薄皮を剥く。
【皮の状態&剥き方】
 酢に漬けて3時間だと皮の輝きが鈍る程度、半日つけると皮にシワが出ます。どちらもでもお好みで。まな板に身を上に置いて、骨を丁寧に取り除いて指で骨が残ってないか確認。ひっくりかえして、背中側(黒っぽい模様側)から皮を剥ぎます。気持ち腹側方向に引くとキレイに剥がれます。保存したい場合は、この状態で、保存袋で冷蔵します。締め具合により持つ日数が違うので、初日は半生、翌日は強めのしめ鯖と味を楽しめます。しめ鯖ならば、3〜1週間は冷蔵庫で大丈夫、それ以上(食べ忘れなど)ならば、塩と酢の作用で傷みませんが、念のため、カレーなど味が濃い料理に使って加熱して食べて下さい。
 写真は三日目でけっこう酢が効いている状態です。大きさの割に、脂がコッテリな鯖だったので、半生状態よりはこの日が一番美味しかったです。皮目に焼きを入れても美味しいです。握り寿司や棒寿司で食べるならば二日目か一日目でもう少し身が透明感が残っている状態が美味しいです。
 このサバは、血抜きバッチリで身は白っぽいです。サバの状態により締め時間は変わります。脂のノリでも変わりますから、毎回同じ時間ってより、自分の感覚で締め時間を変えてください。鮮度のいいサバ+塩たっぷりで作れば簡単です。あと、洗う酢もケチらないように。小ぶりのサバのシメ鯖で作ったサバ棒寿司は美味しいです。

サバ〜成分の特徴:小学館 食材図典54ページより抜粋

 「サバの生き腐れ」といわれるように、サバ肉にはアミノ酸の一種ヒスチジンが多く、鮮度が落ちると酵素によってヒスタミンに変化してアレルギー源となる。しかし、ヒスタジン、リジン、グルタミン酸、イノシン酸などうま味成分を多く含んでいる。
【真鯖(まさば):chub mackerel,Pacific mackerel】
 旬は秋から冬で,新鮮なものは生食されるが,一般に酢でしめた「しめさば」や「さばずし」が有名。味噌煮にも向き,竜田揚げも喜ばれる。また,さば節は出汁(だし)がよく出るので各種の料理に使われ,缶詰にも加工される。
【胡麻鯖(ごまさば):spotted chub mackerel slimy mackerel】
 マサバによく似るが,体の側偏度が小さく,腹側に多数の小暗色の斑点(はんてん)があることで区別できる。マサバより体脂肪がやや少なく,味もやや落ちる。夏季にはマサバの味が落ちるので,年間を通じて味の変わらないごまさばが喜ばれる。利用法はマサバと変わらない。

サバ 食品成分表(可食部 100gに対して)
エネルギー 水分 たんぱく質 脂質 コレステロール 炭水化物 糖質 K Na Fe P Ca
239kcal
(1000kJ)
62.5g 19.8g 16.5g 55mg 0.1g 300mg 80mg 1.5mg 160mg 22mg
飯のおかず&宴会料理覚え

2008年9月6日作成 2012年1月6日追記 四畳半の住人