四畳半の住人 / ガスコンロでメシを炊く / 無洗米を使ってみた

■■ 無洗米を使ってみた ■■
作者:四畳半の住人
 米をとがずにそのまま炊ける無洗米もかなりメジャーになってきましたね。遅まきながら私も使ってみました。これが本当に楽で、炊飯がインスタント並にお手軽になった感じです。手が濡れないので、冬の手が冷たい辛さを考えたらこれは画期的です。
 最初、私は無洗米に対して「しょせん便利食品だろう」、「美味しくないんじゃない?」「銘柄が選べない」「やはりお米はちゃんととがないとね!」等々と先入観を持っていて、使う気になれませんでした。同じ銘柄で普通米と無洗米を同時に食べた事がないのですが、無洗米でも味に変わりはないようです。どれどころか、美味しい!と言った友人もいました。

 最近の商品にありがちな、【便利だから味を落ちている】、【便利だから仕方がない】などといったものはまったく感じませんでした。

無洗米は便利商品ではなかった

のですね。こういう先入観ってのは、困りものです。
 どうやら無洗米というのは、ヌカはヌカに吸着しやすいという性質を利用したもので、特に薬品などを使っている訳でもなく、まったくの自然食品のようです。漬物に使って残ったヌカはわりと品質が変わりやすいことを考えても、微量なヌカが米に付着していない米は長持ちすると思います。

 以下、お米の袋に書いてあった説明書きを紹介します。
(木徳神糧株式会社 無洗米 栃木コシヒカリ 5kg入りの袋より抜粋)
木徳神糧株式会社 無洗米 栃木コシヒカリ

 こんなサイトもありました。 無洗米とは?
 こういう風にいい所ばかり、、と言われると反論したくなりますよね。では、無洗米の特徴で言われる【とぎ汁を出さないので水資源にやさしい】と言う部分が本当にそうなのかインターネット上で調べてみます。最近は環境に与える影響についていろいろな商品や行為について調べられています。無洗米もありました。
無洗米と普通米のLCA比較(抜粋)
  専門用語を少しだけ紹介します。
  ・LCA(ライフサイクル・アセスメント = Life Cycle Assessment〔評価)
  ・LCI (ライフサイクルイベントリ = lief cycle inventory(一覧表、目録)
   ぶっちゃけて簡単に表現すると、ある製品(や行為)を得て廃棄するまでに自然環境に与える影響を色々な角度から細かく検討し、その製品を評価するものです。資源の採掘から始まり、製品加工に使われるエネルギー、排出される熱エネルギー、運搬費やら、梱包やら、かけたもの全てを考えて廃棄まで全てが含まれます。わかりやすい解説は、ネット上でざくざく見つかりますのでご覧ください。
例:LCA(ライフサイクルアセスメント)など、他、製造メーカーのサイトも自社製品についてLCA評価しているものがたくさん見つかります(例 オムロンやコクヨ、NECなど)。こんなものまで、と思うような商品にもあります。ちょっと検索してみました。まぁまゆつばレポートもありそうですが、参考になります。  
 で、、無洗米のLCA評価のサイトを見てみますと とりあえず、環境にはよろしい。という結果が見えてきます。 ご意見のページに、無洗米精米機のコストを抜いていると指摘されていますが、
 精米機の交換時期に無洗米機能付きの精米機ににするのはコスト的にも変わらないと思います。仮に無洗米の機械の値段が高いとしても、その無洗米を作る機械の生産台数が上ればその価格は逆転します。設計費ってのは最初にドカンと掛かりますが、だんだんと安くなっていくものです。 結局、無洗米機と普通の精米機を作るのに両者が環境に与える影響はほぼ同じではないでしょうか。実際に、家庭用の安い精米機でも、今はほとんどが無洗米機能が付加されているので設計(技術)的にもコスト的にも変わらぬものと考えていいと思います。それよりも、消費者が私のように無洗米に対して間違った評価を持っているほうが問題です。もっと宣伝して売れるようになれば、スーパーでも無洗米精米機が導入されたりして米の銘柄も選べるようになるでしょう。先入観を持っていたおわびに少しだけここで宣伝しておきます。
 素人考えですが、こういう評価を見ていて、細かい計算の割には、大きいものが抜けていると感じます。
 だいたい、地球が人間だとしたら、 私達が使っているエネルギーの大本である石油や石炭などの資源に対していくら払えばいいのか誰も計算していません。 採掘した資源の値段は採掘コストだけの算出でしょう。資源の代金を払ったつもりで環境保全に使えたらよかったのでしょうけど、キレイな水や空気の値段を誰も算出していません。

 

 わずかの負担で自然環境が維持できるならば、便利な生活をしている我々はケチケチせずに払うべきです。人の命に値段がつけられないように(実際は生命保険などでは値段あります)、地球が本来もっている能力も値段がつけられないほど貴重ですよね。無洗米機のランニングコストうんぬん言う前に、少しでも家庭排水により、水を汚さないですむのであれば、導入するのが当たり前です。無洗米を作る時の廃水はまとめて処理できるのですから各家庭で垂れ流しするよりは環境に優しいと思います。

 
昔はキレイでそのまま飲めた渓流の水を飲めなくしてしまった人間は、

地球に対して慰謝料を払うべき

 だと思っています。その慰謝料だってわずかなものですよね。お金で買えない環境を壊しているのですから、もっと商品は高く、消費者から自然維持代を取り立ててもいいと思います。 環境にやさしい商品は普通の商品に比べて少しだけ割高です(トイレットペーパーや再生紙など)が、ほんのわずかの差で、いちいち目くじら立てるほどの価格差はありません。  とにかく、こういう評価は賛否両論ありますが、私はくだらない事やわずかのコストうんぬん言うべきではなく、自然を少しでも維持できるならば、お金を使うべきと思っています。廃棄処分代なども私は賛成です。家電品のみならず、一般の商品でも使い捨てが出来ないようにある程度の価格設定は必要ではないでしょうか。まったく関係ありませんが、どうしても100円ショップなどの廉価商品には目くじらをたててしまいます。捨てない。。100円ショップで買う場合は、自然素材のモノだけにしましょうよ。一番簡単な環境維持ですよね。

無洗米の注意点

2005年7月のある日、こんなメールが来ました。一部抜粋です。
 ところで、無洗米についてなのですが…。我が家は田んぼ持ちの義父母がお米をくれるので、使ったことはないのですが、食べるチャンスは何度かあり、味も悪くなく、便利でいいと思っていました。もし義父母からお米がもらえなくなったら、買おうとも。

 ところが、夫の友人が先日遊びに来たとき、 「無洗米は、買ってきた直後の味は全く変わらないが、 半年も経つと恐ろしいほど味が落ちる。特に蒸し暑い時はダメ。」 と断言していました。

 まぁ、無洗米は表面を削っている訳ですので、普通のお米よりも乾燥しやすく、虫も喰いやすいです。 そして半年と言わず、2,3ヶ月でポロポロになってしまいます。電気炊飯器で炊いたら「炊飯器が壊れたか?」と思った友人もいました。実際には、買ってきたお米を半年も眠らせておく家庭はないと思いますが、日持ちしないのは事実。半年どころか1ヶ月で、味が落ちます。半年もお米を使い切れないならば、ご飯パックを買った方が美味しく食べられると思います。たまにしか炊かない人は、普通の精米をお勧めします。 無洗米は、毎日炊く人にはとても便利と思います。ちなみに右の写真、ちょっとお米を貰うことが多く、買ってから3ヶ月した無洗米を釜炊き三昧で炊いたお米です。保存は買ったときのビニールを輪ゴムで止めて暑苦しい台所に保管。この時期なので、蒸し暑いなんてもんじゃないです。(^^;) 虫食いがあったのでキレイに洗って取り除いてから普通に炊いています。やはりね、お米はポロポロになりかけ、炊くと柔らかめになります。たぶんひび割れから水分を吸収しやすいんでしょうねぇ。  2005年7月28日 追記
ガスコンロでメシを炊く目次

2003年9月8日作成 2005年7月28日追記 四畳半の住人