穴子や鰻のタレなんて言うと、「秘伝」「男の料理」なんて言葉が出てきますが、そんな気合入れなくても、真面目な素材を山盛り使って丁寧に煮るだけなんです。調味料の微妙な割合は、贅沢に投入する出汁(穴子の頭や骨)が打ち消します。一番難しいのがその素材の入手。プロと素人の違いはそこです。しかしながら、素材を入手できた素人は、採算を無視した材料の使い方をしますから、舐めると穴子の香りがするなんて超贅沢なタレが出来ちゃいます。穴子も鰻も魚としては一般的でない為か、敷居が高くプロの料理人でなくては、、と勘違いしがち。穴子釣りを始めてから、何枚も何十枚も何百枚も穴子を串に刺して焼いてみて、プロと素人の違いは見映えと素材の均一性(大きさ、味など)の様な気がします。確かに、コツもあるのでしょうが、プロの味に近づくことは難しくありません。しかし、実際は・・・ここで紹介するタレはやはり素材の入手が難しく、万人が作れる訳じゃないです。釣り人料理ですので、その辺はご勘弁を。
その2:タレ目的でタレを作る
出汁を取る頭や骨をたくさん使うので、この方法は、万人向けではありません。穴子の頭や骨の入手方法を考えてみます。
- 東京湾限定ですが、穴子船(夜釣)に乗って自分で釣る。
穴子を買うよりもお金が掛かるのですが素材から自己調達という自己満足が得られます。
- 穴子船(夜釣)で、船長にお願いして頭を頂く。
頭を捨てる船宿が大半なのできっとくれるはず。あわよくば骨も貰って帰ったり、、
- ご近所の魚屋とか鰻屋で生を捌いているお店で頭を頂く。
こういう時の為に買物はご近所の個人商店で。
- スーパーでも、穴子や鰻を捌いているところを見つけたら頼んでみる。
頭と骨が揃ったら・・・混ぜ物がない醤油(高級品でなくても可)、コクのある砂糖(黒砂糖でもキビ砂糖でも、ザラメでも)、本みりん、生姜を用意します。生姜を入れるのは単純に私が好きだからというのもありますが、素人料理ゆえ調味料の配合が適切でない場合があって(計らないのが一番の原因)、タレの味が突っ張っているように感じる時があります。そんな時、生姜を一緒に煮込んでいると、生姜から出る生姜汁が味を助けてくれるような気がするのです。大好きな生姜の佃煮も出来て一石二鳥。
人の釣った頭を貰ってきたら、針がついてないかチェックしましょう。そして、喉の奥にイソメが残ってないかもチェックしましょう。
その3:タレの保管方法

出来たタレは、頭、骨、生姜を取り分けてから、冷蔵庫にて保管します。頭はほっぺとオデコの部分にお肉がついていますからケチな私はこそげ取ってご飯に混ぜて簡単穴子飯で頂きます。佃煮の時みたいにしゃぶってもいいけど味が濃すぎます。私は、蒲焼きはドブ漬しないで刷毛で塗るので、保存瓶はペットボトルやポリタレ瓶に落ち着きました。今までは保存瓶やバッドに入れてましたが、小さい冷蔵庫じゃ邪魔で仕方なく、この方式にしてから扱いが楽になりました。
タレ焼きする時は、使う分だけをお皿などに移して使います(穴子レシピ〜蒲焼き参照)。新しく作る場合は残りを鍋に入れて補充します。容器は、アルコールや日本酒を入れて、振り洗いし、内部の水滴を完全に除去してください。このタレ量で蒲焼き20枚は焼けます。ご飯にたくさん掛けたいならば、たくさん作っておきましょう。しかし、真面目に作るタレは濃厚で、ご飯にはたくさん使わなくても美味しく食べられます。市販のタレは味も香りも薄っぺらいからたくさん掛けたくなってしまうのかも。

この保存方法が素人臭い、、などというメールが来そう〜
(私を男性と思う人が多いのか「やはり料理は男ですね!」なんて書いてあります。たかが素人の料理、金に糸目をつけるつけないは、男女の差ではなくて収入の差です(笑)〜ですが、蒲焼き屋じゃあるまいし、毎日焼いたとしても2〜3枚。穴子の脂をつぎ足して行くならばカビの心配もあります。毎日撹拌するプロと違うからやはり、冷蔵庫保管が安心。ならば、容器は扱いやすい方がいい。私もね、最初はドブ漬にこだわり、右の写真の様な容器に保存(2005年7月の写真)していました。が、、この量じゃ結局、ドブ漬に出来ず、冷蔵庫でも邪魔モノ扱い。で、ドブ漬はガスコンロの汚れが多くて後片づけが面倒です。結局、刷毛塗り、そして保存はペットボトル、お裾分け用には市販のタレ瓶に落ちつきました。空気に接する面積も少ないしいい感じです。何より不要になったら洗ってリサイクルに回せるのがいいね。普段は敵視しているペットボトルですが、こういう時には活用しています。