四畳半の住人 / 版画年賀状の紹介

■■ 版画年賀状の紹介 ■■
作者:四畳半の住人

2002年馬年 パソコン&プリンターの普及とともに年賀状作成はプリントごっこ(理想科学)からパソコンで作るのが主流になった感じがありますね。インクジェット用の年賀状は売れ行きは倍増しているそうです。年末の風物詩とも言えたプリントごっこコーナーは隅に追いやられ、パソコン用の素材CD-ROM集や宛名書きソフト、プリンターインクが巾を効かせています。プリンターは年末に一番売れていそうです。
 ひと昔前は高価だったスキャナー類(私は300dpiに10万円も出してしまった)も安くなり、子供や家族の写真、好きな絵柄を取り込んだりと、個性的な絵柄を簡単に作れるパソコン年賀状は流行って当然なのでしょう。
 私は随分と前から年賀状は版画で作っています。もう癖になってしまってパソコンで作る気がおきません。パソコンでやればキレイに早く出来るのは分っていますが。。年末に彫刻刀と絵の具と格闘しないと年が明ける気がしないのです。昨年は喪中だったため今年は気合いを少し入れた絵柄にしました。ある友人がどうやって作るのか、、と言うのでここに紹介します。実は非常に簡単です。小学生の時、工作で使った彫刻刀と絵筆で出来上がる年賀状。お時間がある方はチャレンジしてみてください。
 画像は今年2002年馬年の年賀状です。前回は喪中だったため2年振りなので気合い入っています。ゴム板3版、版画絵の具には赤と金、黒を使っています。これを200枚刷っていて後悔しましたが、。さすがに達成感はありますね。版画の利点はへたくそでも見れることです。パソコンでキレイに印刷してしまうとデザインだけの勝負になってしまうので個性的にするか、図案集をそのまま印刷するかになってしまうんですよね。
 ここで紹介する私のやり方は、一般的な版画彫りの参考にはなりません。8年前、パソコンとスキャナーを手に入れてからは、下絵の作成や色を決めるにはパソコンを使っています。最後の印刷の部分だけがアナログと考えて下さい。しかし、年に一回だけ年賀状の為に版画師になる人には参考になるはずです。手抜き方法や身の回りの物を活用し、小学生の時の彫刻刀3本で仕上げます。芸術品や美術品、趣味で版画をやろうとしている人には叱られちゃうやり方かもしれません。パソコンを使って版画年賀状。。面白いと思いませんか?
 一気に作るの大変なのでじわじわと紹介していきます。年賀状の売り出しまでには完成させる予定です。
 年賀状について一言。ある人が年賀状だけのつき合いになってしまったと嘆いていた事があります。私はそれでもいいと思います。会えなくなってしまって年賀状さえも止めてしまったら、もうその人とは二度と会う機会はないでしょう。遠くにいる友人でも年賀状だけでもやり取りしていれば、お互いが近くに旅行や出張した時に連絡しやすいですよね。逆に義理で出す年賀状、、これは仕事でない場合、止めたほうがいいです。パソコンで簡単に印刷できてしまうこの頃はそういう年賀状が多くなっていると思います。宛名書きソフトにあるまま印刷しているんじゃないでしょうか。もし、自分で一枚一枚を時間をかけて印刷する版画年賀状なら義理で出すなんて勿体ない事は出来ません。まぁ、どんな形であれ、今の世の中でアナログな年賀状がいつまでも残っているのは喜ばしいことですね。

目 次

  1. 必要な材料や道具
  2. どぢさんのアイデア道具
  3. 図案を考える
  4. パソコンでの編集〜版分け、色決め
  5. ゴム板や木版に下絵を写す
  6. ゴム板や木版に彫る
  7. 印刷
  8. 乾燥と宛名
  9. 過去の年賀状
  10. 補足:インクジェット紙について

2002年2月9日作成 2003年1月追記 四畳半の住人