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■■ ワカサギを食べる ■■
作者:四畳半の住人 -
空揚げ 釣りの楽しみってのは自分で釣った魚を食べるって事もあると思うんですよ。とある浅草のおでん屋の主人はヘラ釣り師、おでんを食べに言って「釣った魚を食べるのはいけない、食べる魚は漁師に任せろ」と説教されたことがありますが、【食物を採取するというのは人間の本能を刺激するような喜びがある】と思うんです。
 魚嫌いの子供でも自分がすくったり、釣った魚では、これがボクの釣った魚だよ、とか言いながら、頭から食べています。釣って、死んでしまって、でも食べてあげるというのは大切な事と思います。だいたい釣り上げられた魚はかなり弱りますので、釣り上げたら食べてあげて、食べる分だけ釣るようにして、乱獲を避け、無駄に殺さないように気をつければいいと思うのですが、、私は食べる為に釣るタイプの人間なんですよね。美味しいし。店頭に並んでいる魚よりも確実に新鮮ですしね。
 「鯵とか鯖、他の魚だって買った方が安いんじゃない?」とよく言われますが、同じ品質の魚を買おうと思ったら釣りは高い遊びじゃありません。朝から1日楽しんで、さらにお土産付き。釣り鯵だって釣り鯖だって1匹1000円以上はしますしね。網じゃなくて1本釣りだし、店頭に並んだ魚とは扱いが違います。だいたい、釣った魚を食べたら、流通に乗った魚は食べられません。釣り人の魚ってのは、釣り上げた瞬間から最高の扱いを受けて、台所まで運ばれます。ですから、料亭に卸される魚よりも丁寧な扱いを受けています。鯛や鯖だって、釣ったそばから、締めて、1匹づつ丁寧に運ばれているのです。網ですくってそのまま冷凍されたりクレーンで処理される魚とは、まったく別物と思うほど味に違いがでます。妹は、深場の釣鯖の刺身をシマアジの刺身より旨いかも、、と唸ったことがあります。揚げ物にしてもそう、鯵フライは1枚100円でスーパーで売っていますけど、釣り鯵のフライは別物です。
 かなり脱線しましたが、ワカサギは特に鮮度が落ちやすい魚なので、釣ったものと売っているパック詰めは、まったく違います。。ワカサギ独特の苦みも爽やかで肉もブヨブヨしていません。。食べるの目的でも充分に楽しめます。釣果も期待できるワカサギ釣り!是非、お試し下さい。ハゼ釣りの次にお勧めするお気に入りの釣りです。
 

ワカサギ持ち帰り方

 穴釣りの場合は、釣っている間も冷蔵庫より寒いので持ち帰る時だけ、ビニール袋に入れて水に触れないように持ち帰ります。
 ボート釣りの場合は、釣っている間に鮮度が落ちないように、しばらく水に放して泳がせてから、氷を入れたクーラーにビニール袋に入れて少しづつしまいます。ワカサギは鮮度が落ちやすいので、温かい水でいつまでも泳がせないようにしてください。皮が薄く水に直接に触れると、身が崩れやすくなります。

ワカサギの下ごしらえ(必須)

 釣ってきたら現地で食べる場合でも必ず水洗いしましょう。屋外で食べる場合、面倒だからウロコは取らないことも多いです。というか、ほとんど私は気にしていません。 

ワカサギの下ごしらえ(必要な場合も)

 ワカサギの内臓が気になるならば、内臓を取った方がいいでしょう。しかし、ワカサギの一番の利点は、下ごしらえが簡単な事です。あまり気にするとせっかくの利点がだいなしです。あまり深刻に考えないようにしましょう。煮干しや小魚の甘露煮だってそのままです。ただし、あまり小さいものはこの処理をするとなくなってしまいます。

ワカサギのエサが気になる人へ

 よく、「エサが気になる」と聞きます。ワカサギのエサは、サシか赤虫ですが、一緒に食べることになるのでは?? だそうです。釣っていて思うのですが、赤虫にしても紅サシにしてもワカサギが食べてしまっていることはほとんどありません。エサは、針についたまま、交換して捨てています。でも少しは食べているでしょうが、釣った後、水をはった容器にワカサギを放します。エサを食べてしまったワカサギは、そこで食べたエサを吐き出しています。
 ワカサギの常食は、プランクトンです。サンマなんてお互いの体が擦れて内臓は鱗だらけ。(^^;) 小魚の干物や甘露煮の内臓を気にする人はいないと思います。私から言わせてもらえば、あっちの方がよほど・・・。まぁ、それでも気になる人は、内臓を取って食べるか、ワカサギを食べない方がいいと思います。(2003年11月24日)
 一応、補足です。魚信がわからず毎回、餌を盗られちゃう人の場合、、、どうだかわかりません。

ワカサギの食べ方

 買ってきたワカサギと違い、超新鮮な釣りワカサギはゴテゴテと味付けせず、爽やかな苦味と香りを楽しむ調理方法が合います。空揚げするときも、片栗粉ではなく、必ず小麦粉を使います。魚が小さいので片栗粉では衣の味が強くなってしまいます。一緒に他の野菜などを揚げる時は、魚を揚げると油が汚れる(特にワカサギは小さいので)のでワカサギを最後に揚げるようにします。
油の処理油の処理【注意!(左写真)】
 揚げている時にカラっと揚がらなくなったり、大きい泡がたくさん出てきたらもう油が疲れている状態です。諦めて取り替えて下さい。そんな油でその油はもう炒め物にしても美味しくないので新聞紙に吸わせてゴミ箱へ(新聞1日分をまとめて縦にちぎってのり巻きのように丸めて油に浸しておきます)。
【油再利用の場合(右写真)】
 まだ使えそうならば、野菜炒めでも卵焼きでも使いましょう。冷めないうちに濾します。乾いたガラス瓶(熱に強いのがベスト)+コーヒー濃し紙+漏斗で十分です。ガラス瓶はそのまま油入れとして使います。
 
くらし方録(カタログ)2002年2月号(No.234)より
 3ページ目の連載:食の歳事記にワカサギが取り上げられていました。参考にここに全文を引用します。
 小さい体ながらも栄養は満点です。骨がやわらかく丸ごと食べられるので、カルシウムが補給でき、しかもその吸収を助けるビタミンDを含みます。さらに、鉄、リンなどのミネラルやビタミンB群、ビタミンEも含み、冬の肌あれや冷え症、貧血改善などに最適です。調理法では甘露煮が有名ですが、天ぷら、から揚げ、南蛮漬け、白焼きとどんな料理でも美味しくいただけるのも、わかさぎの魅力でしょう。
 ところで公魚と書く理由をご存知ですか。それは江戸時代、将軍家に年賀として献上されたことによるようです。江戸時代から愛されている味をいろいろな料理で楽しみましょう。
- 以上 -
 同じ号にわかさぎのから揚げ野菜餡かけ が紹介されていました。
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2000年12月24日作成 2003年11月23日更新 四畳半の住人