四畳半の住人 / 四畳半で梅干しを作る / 実際の土用干し〜(微)発酵梅の土用干

■■ (微)発酵梅の土用干 ■■
気付かず微発酵(浮腫梅)はよくある話
作者:四畳半の住人 -
 漬け込み時に,梅がブクブクとガスで膨らんだ状態は発酵状態です。微発酵の梅が増えれば重石の位置が上がってくるので,よく観察していれば気づきます。匂いが出ない状態でも何個か微発酵することもあります。梅酢の匂いが変わってきたらかなりの割合で発酵していると思われます。早く気付けばここまで救えます。どういう加減か,たまにあります。原因は色々とあると思います。
 そういう梅は,微発酵や浮腫梅と私は勝手に命名しています。実は,,土用干写真には,発酵しちゃったんだろうな〜ってな土用干しの写真をよく見かけます。 軽微な発酵に気づかないと薄皮梅干しは作れないので,よく観察してみてください。
 梅酢が減る程の発酵例はこちら→ 梅酢の匂いが変です。発酵では?

微発酵した梅の土用干し

  濁った梅酢 写真は,2010年の微発酵状態の梅,樽に3粒ありました。この割合ならば,梅酢の匂いにも気づかず,土用干しの際に気付く程度です。梅はふっくらを通り越してパンパンに膨らんだ状態です。押しつぶすとガスがプシューって出ます。発酵し,梅の内部にガスが発生し膨らんだ状態と思われます。
 この状態では薄皮梅干しにはなりません。
  土用干し1日目 2012年 友人の庭梅,サイズはバラバラ,塩分は不明(引越し当日6月17日に漬けたので適当)でしたが,7月1日早朝に発酵を発見。発酵止め(発見当日に酢をドボドボ,1週間後に天日干し&梅酢の火入れ)を行ったのは7月2日。全ての梅ではなく,発酵割合は3割ぐらい? 写真は発酵を免れた梅です。フツーの仕上がりですが, 発酵が発覚してから,樽全体に重石を掛けちゃった(発酵梅のガスを出す為に重石追加)ので無事な梅も萎み気味です。丁寧に処理するならば,発酵して膨らんでいる梅だけを分けて,ガスを抜くといいです。
  土用干し1日目発酵止の天日干し(2012年7月2日)
 こちらが発酵した梅。干す前には,中にガスが充満してプクプクと膨らんでいます。間違えている人も居るようですが,プクプクとガスで膨らんだ状態とふっくらと丸い状態は違います。意外とね,こういう土用干し写真は多く見かけます。半数は微発酵した状態に気づいてないのかもしれません。
 こういう梅の見分け方は,指で押す! この状態の干し時間は3時間程度です。
  土用干し1日目発酵止の天日干し(2012年7月2日)
 押した指の跡がいつまでも残ります。浮腫んだ足の状態,浮腫梅と勝手に命名。こういう梅は発酵した梅です。これに気付くか気付かないかが,薄皮梅干しへの第一歩かも?と思います。
 以前,味見してくれ!と梅干しの本に掲載された男性の梅は全てがこの状態でした。でもま,よっぽど酷くなければ,土用干しして,フツーになっちゃうんです。梅仕事としては,この発酵梅も及第点です。
  土用干し1日目梅雨明け後の天日干し(2012年7月29日)
 発酵止をしてからずっと樽の中に居ました。約30日後,正式に土用干。色ムラも少しだけ改善されています。しかしながら,私は紫蘇投入量が3分の1程度なので,発酵しちゃった梅は皮が分厚くなるので,色はそう染まりません。発酵止以降は,発酵の兆しはありませんでした。で,また押して観察。
  土用干し1日目梅雨明け後の天日干し(2012年7月29日)
 色ムラは改善されても,浮腫梅状態は変わらずです。一番上の土用干し写真と比べると皮の状態(厚みや色)が明らかに違うのが分かると思います。でもまぁこの程度なら,普通の梅干と思ってくれる人も多数なので良しとします。おにぎりで食べる分には気付かず食べちゃいますが,一粒づつ比べると・・・発酵したよね!とバレてしまいます。(^_^;)
 梅肉や,梅びしお干し梅にしちゃえば無駄なく楽しめるので諦めないでください。
 土用干しした梅の評価基準は私の場合は薄皮です。羽二重梅とも言うそうですが,羽二重梅になれば,ひっくり返す時には, 合格マークである干ザルの跡がつきます。もちろんその跡はすぐに消えます。皮も半透明状態に見えます。梅干のシワは浅く細かくつきます。深いシワは中身が抜けすぎ,シワが分厚いのは皮も分厚い。。ザルに置いてから,いつまでも同じ形を保持しているのは,発酵しちゃった梅です。羽二重梅はすぐにクテン!とたるみます。発酵梅は,皮は柔らかく破れそうって程でもなく,扱いは楽です。

土用干し実際哀しい梅赤紫蘇の干し方
四畳半で梅干しを作る

2012年8月3日作成 四畳半の住人