四畳半の住人 / 四畳半で梅干しを作る / 【3】梅酢を待つ 

■■ 【3】梅酢を待つ ■■
作者:四畳半の住人
 6月は梅の季節。初めて梅干しに挑戦しています。というメールをよくいただきます。で、意外と多いのが梅酢の質問です。どれぐらいまで梅酢が上がればいいのか、重石はどうするのか? などなどです。確かに、この梅干しページを見直すと、梅酢に関する記述が少ない感じもします。ノウハウというのもありませんが、梅酢が上がるまでの経過をだらだらと写真を主に紹介します。条件により細かいところは違うと思うので、参考程度にしてください。このページは私の主観です。絶対ではありませんので攻撃なきよう。
 重石についての質問も多いので、別ページに「重石について考える」を作りました。御参考に。。
Lサイズ 6kg 塩分10%(減塩)+氷砂糖10% の場合
ちと固めの梅でしたので,重石は長い時間かけています。
Lサイズの南高梅6kg 漬けた状態
10リットルの漬物容器ギリギリ 今回は7kgの重石
24時間後 漬けた状態
【24時間後】
3時間で押し蓋の位置が下がりはじめ、梅酢が出始めているのがわかる。半日後には、なんとなく梅酢が隙間から見えて、24時間後には蓋の位置まで梅酢が出る。まだ重石を軽くしない。
【72時間後】
2日目にはもうかなり梅酢の量も増えてくるが、まだ重石は最初のまま。写真は3日後、これぐらい上がれば、充分なので、重石を軽くする。

天地返し? 樽を揺らす……どちらも禁止!

 そして,梅酢があがったあとに,塩分を均一にする為に天地返しを指南しているサイトもあります。 塩分濃度を均一にする為に開いて天地返しなんてとんでも無い。それは,天地返しして平気な梅ってことです。羽二重に仕上がる梅なら,梅が破れちゃいます。
 梅酢があがる前に,塩を溶かす為にバケツを揺らす……もダメです。梅シロップと間違えているんですかね。梅シロップは発酵系,梅干は発酵食品ではありません。皮が柔らかく仕上がる梅なんて,樽ごと揺らしたら,潰れます。 重たければ重たいほど慣性力+摩擦力が効きますから破れ梅が出て,今度は梅酢がにごります。正直,揺らすのは固い梅干し以外は禁止です。
紹介している梅農家は正真正銘の落ち梅を洗浄して発送,
言い方を変えれば腐る寸前のギリギリな梅だから減塩するな!
ってしつこいのに守らず梅酢が白濁したってお客さんが居ました。
樽を毎日揺らしたらしいのですが,このページも観てないのか?

■■ 梅農家さんのコメント ■■

 樽を揺らしてはいけない理由として、梅が破れるだけでなく、
樽を揺らすと、途中に入れた塩が、下に落ちてしまい、
わざわざ途中に挟んだ塩が下に沈殿してしまい、途中の梅に染み込まない。
だから揺らしてはいけない。

梅酢が上がってから、3日後には完全に重石を軽くする。

 梅酢が上がり、甘い香りがたまりません。ここまで来ると梅干し作りも半分成功です。重石をかけて、2〜3日ほどたってから、重石を軽くします。私は3時間程度でも重石を軽くしていく時もあります。でもま,無荷重ではなくて,それなりの重石(3割〜1倍)は重石は最低でも3日間はかけています。10kgの場合ですから,少量の場合は,梅酢があがったらすぐに重石を軽くしても良いと思います。あくまでも梅次第,自分の状況次第、ここは自分の判断です。ちなみに梅農家さんから買った完熟落ち梅は,ほとんど重石不要でした。八百屋で買った乾燥した梅,古い梅,硬い梅なら重石はある程度は掛けないと梅酢が上がりにくいです。
 軽くする重石は、梅がプカプカと浮かんでこないで、梅酢の中に沈んでいる程度の重石(下にあるスペーサー方式がオススメ)にします。
 梅酢があがって安心しても減塩(18%以下)なら日に一度は,匂い,梅酢の色や透明度を確認しましょう。蓋を開くのが嫌ならラップで覆って観えるようにします。私は簡易版梅酢循環装置を設置しているので日に一度は下部の梅酢を上にあげています。

梅酢を先に楽しむ

梅酢持ち歩き  重石を軽くするついでに、梅酢を一部取りだすと早い時期から梅酢が楽しめます。先取りで梅の香りを楽しんで下さい。白梅酢は梅仕事の中間ご褒美のようなもの,熱中症予防にもいいです。私は携帯用にスプレー容器に入れて持ち歩いています。もちろん容器は食品用を使っています。オニギリに使うにもこの方式だと便利です。
参考:梅干しの副産物:白(赤)梅酢梅酢の使い方梅農家直販の梅酢レポート

完熟の落ち梅なら重石は超軽量

スペーサー 2012年に梅農家さんの完熟落ち梅を初体験しました。→ 梅農家直販 完熟落ち梅レポート〜土用干し2日目編。 こちらの梅は,勝手に木から落ちるまで置いた梅で,梅農家さんではすぐに漬け込む状態だそうです。このような完熟梅の場合は,ほとんど重石は不要です。我が家は環境がよろしくないので,梅酢が上がり切るまでは注意しています。最初の1時間は1〜5割,少しでも重石が沈んだら1〜3割,梅酢が十分に出たと判断したら,スペーサー方式で重石はほとんどゼロ状態で土用干を待ちます。
   2014年7月30日追記

重石を軽くしたら、赤紫蘇です。

赤紫蘇を入れる  赤紫蘇は、ある程度の漬込み時間がないとキレイに染まらないので早く入れた方がいいでしょう。保管環境にもよりますが,私の場合,色が染まるまで2週間は必要と考えています。 白梅干しにしたい場合は、このまま土用干しまで待ちます。
 日に一度は、匂い、色、濁りなどを確認し、カビの前兆をチェックします。この正常な状態の梅酢の色、匂い、味を覚えておいてください。通常ならば、干すまでの短期間ならば、匂いも味も変化しません。
 参考:梅干し Q&A 〜 四畳半流
重石を軽く 漬けた状態
蓋が閉まらないので不採用,バケツを重ねなくていいなら問題なし。ラップをして覆いすること。 こちらを採用。ただし,すり鉢の消毒が適当すぎてすり鉢にカビ。梅には問題なし。
重石を軽く
↑土用干し待ちまでの,重石:スペーサー方式↑
適当な重石が無くて,蓋をする場合,蓋と押し蓋の間につっかえ棒的なモノを挿入するのも簡単で良い。コップ,瓶,丼 etc... ガラス製のモノが消毒も簡単,梅酢のチェックもしやすいのでオススメ。

↓梅の漬かり具合〜重石を外した時にチェック↓

重石を軽く 漬けた状態
こんな感じが私のお好み。重石が重すぎるとペッタンコになり,果肉部分があまりにも萎んでしまい,ふっくらな梅干より,しわしわの梅干しになります。それは,個人の好みの問題です。 紫蘇を入れた後の状態。ビニールは、琺瑯容器に割れがあったために使用,手袋は手に傷があるから。
本漬け〜重石〜梅酢の確認番外:重石を考える│梅酢を待つ│赤紫蘇を入れる
赤紫蘇を入れない人は 土用干しを待つ

四畳半で梅干しを作る

2004年6月16日作成、2012年8月3日追記
天地返しと揺らし禁止を強調 2015年6月25日追記  四畳半の住人